日差しの眩しさに慣れてきたころ、少し湿った空気に気がつく。薔薇の次、あじさいの季節になってきた。薔薇ほどの種類や華やかさはないものの濃い緑に鮮やかな色が気分を明るくしてくれる。SNSで良く見かけるあじさいの名所に行ければクタクタになるほどシャッターを切れるのだろうけど、僕のカメラ散歩のスタイルは、遠くの名所に行って栄え写真を取るものではなく、近所の普段の風景の中から気づいて気軽にスナップするというもの。なので今回も偶然見つけたあじさいを何枚か撮ったものを紹介。
花に出会うときはなぜか曇りが多いけど、快晴よりも光が回り柔らかな写真になる。あじさいのように花が玉のように咲く花は快晴だと影が強く出てしまいあじさいの可愛らしい感じが損なわれてしまう気がする。フルサイズ換算66mmの焦点距離で少し離れて周りをトリミングするように構図を決める。そして少し絞ってF3.2に設定。ボケ過ぎてあじさいのキレイさもボケてしまわないようにした。一眼レフの贅沢なところは肉眼で見たキレイさのままにどの範囲を切り取るかに集中できること。繊細な光を記憶に留めつつ写真としても残せるため現像の際の色の調整にも便利だ。
あじさいが奥に連なるように縦に構図でも押さえてみた。奥の木や草が少しうるさかったため望遠側にしてボケを大きた。こういう時にF2.8通しのズームレンズは便利だ。F2.8は決して明るくないしボケも大きくないが望遠側で被写体に寄れば大きなボケを作り出すこともできる。花を良く撮るのでこのボケを作れるのはありがたい。焦点距離もフルサイズ換算24-77mmと中望遠までカバーしてくれるためスナップはこれ1本付けていればレンズ交換しなくて済むのがいい。
まだ満開寸前というタイミングで花は小ぶりだけど密集して咲いているのが印象的。集合写真のように揃っている感じにしたかったのでF8まで絞ってその場の状態が分かるように切り取ってみた。ボケに飽きたらこういう客観性を感じる写真もお口直し的に目がリセットされていいかも。
こちらは逆に開放で奥行きを出してみた。斜めに見下ろす感じで、花や葉の重なる距離感を感じるように意識。少し曇ってきて暗くなってしまったけ濃いめの色も情緒的な感じが出ていいかもしれない。
お昼に出た帰りに、偶然見つけた紫陽花。サッとカメラを出してファインダーに意識を集中して撮る。ファインダーのクリアな視界も、K-3 Mark Ⅲの気持ちのいいシャッターフィーリングもカメラ散歩を充実させてくれる。次は晴れた日の明るいあじさいに出会える機会に期待して。
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